エピレーシック(えぴれーしっく)は、エキシマレーザーを角膜に照射して屈折を矯正する視力回復手術です。表面照射という術式に分類されます。
マイクロケラトームを使用する通常のレーシックよりもフラップ(角膜に作るフタ状の部分)をさらに薄く作ることによって、レーシックの適応範囲や矯正度数の限界を高めています。
フラップは作りますが、やがて剥がれ落ち、新しい角膜上皮が再生します。
エピレーシックのフラップ作成には、専用のエピケラトームという医療機器を使用します。マイクロケラトームを使うレーシックより、エピレーシックはフラップを薄く作成できるため、角膜の厚みを十分に残すことが可能となり、角膜が薄い方や強度近視の方に適用が可能です。
角膜の5層の厚みは表面から順に、角膜上皮(50μm)、ボーマン膜(10μm)、角膜実質(400~500μm)、デスメ膜(10μm)、角膜内皮(5μm)となっていて、切れ目が再生するのは角膜上皮だけです。
格闘家など衝撃を受ける危険性がある人が、角膜上皮だけでフラップを作成するエピレーシックを選ぶのはそのためです。
手術の手順は以下の通りです。
・眼内を洗浄・消毒したあと、目薬タイプの麻酔薬で局所麻酔を行います。
・開瞼器で、手術する眼のまぶたを固定し、専用の器具で角膜の上皮にマーキングをします。これにより、術後、フラップを元通り正確な位置に接着させます。
・エピケラトームという医療器具を用いて、上皮フラップをシート状に形成します。
・フラップをめくり、角膜の実質層にエキシマレーザーを照射、角膜の屈折力を調整します。
・余分な水分や異物などは洗浄してきれいに取り除き、入念な消毒をした後に、マーキングに従ってフラップを元の位置に戻します。
・全体をきれいに洗浄したあと、薄い上皮細胞を保護するための治療用コンタクトレンズを装用し、エピレーシックの治療は終了です。
エピレーシック – Wikipedia