成功率の高い手術といえますが、どんな機械を使っても100%の成功はあり得ません。
手術後、細菌による感染症、合併症を起こす可能性はあります。近視が残る、遠視になる、乱視が出るなどの矯正エラーも起こりますし、近視が戻った場合も再手術で補正できる(ただし再手術には条件付き)場合もあります。
レーシックには以下のような感染症、合併症のリスクがあります。
軽症のもの 1-2%…‥適切な処置により、回復が可能。
・実質内上皮迷入
角膜の表面を覆っている上皮細胞が、フラップの下に角膜上皮が迷入してしまうこと。
視力に影響するようなら、もう一度フラップをおこして迷入した上皮を取り除きます。
・不正乱視
フラップのズレ・しわなどのために不規則な乱視が生ずること。
もう一度フラップをおこして、ズレ・しわを伸ばすことにより回復可能。
・フラップ下の炎症
手術後、早期にフラップの下に炎症を生ずることがあります。
原因は不明ですが、早期に治療(頻回の点眼など)することにより治療が可能。
重症のもの 0.2-0.3%・・・・・・処置をしても、術後に矯正視力が低下する場合もあります。ただし、失明にいたった例は国内外で報告されていません。
・フラップ消失
フラップが極度に薄くなるなど適切にできなかった場合、そのままフラップを使用できなかったり、戻せなかったりすることがあるようです。この場合はかなり強い不正乱視が生ずることが予想されます。
・感染
ごく稀ですが、感染が起こることが報告されています。この場合は抗生物質の点眼や点滴・内服薬で対処しますが、薬が効かない場合、角膜に強い混濁が残り、角膜移植が必要になることもあります。
・角膜拡張(ケラトエクタジア)
本来角膜の中心部は0.5ミリくらいの厚みがありますが、近視を矯正するためにその部分を薄くしすぎると、その部分が前に飛び出してくる可能性があります。前方に突出した場合、再び角膜の形状(カーブ)は強くなり近視化するばかりか、メガネでは矯正できないくらいの強い乱視を引き起こす可能性があります。
極めて起きる確率は低いですが、一つだけ解決していない合併症はこの角膜拡張症です。
また、術式によっては、強い衝撃によってフラップがずれる可能性も残ります。